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【 乾 燥 】 【 保管・保存の方法 】 【 精 米 】


達人への道(技術編)
1年に一度しか収穫出来ないお米では、美味しいごはんを食べるためには、「保管・保存」の技術が欠かせない。
昔とは違い、低温倉庫や店舗内の温度管理などの環境が整っているので、それだけでも随分状態が良いとは思う。
しかし、更に幾つかの注意点に気をつければ、さらに美味しい新米の味を楽しむことが出来ると思う。


>>>技術編1.【 乾 燥 】
乾燥とは、1年に一度の収穫であるお米は、保管をする必要がある。その為、乾燥作業を行ってから貯蔵・保管をしている。水田の収穫前の稲穂には、含有水分が19%〜22%程度の水分がある。

果実やくだものは一般的に、“みずみずしい”水分が多い品ほど“美味しい”と云われている。その点でも同じ農産物であるお米も同様。その為「含有水分」が多いお米が“美味しい”と云うことは一般的にも知られていることと思う。

しかし、数年に渡り貯蔵する可能性のある“穀物”は、“含有水分が多い”ことで品質の劣化が促進してしまうため、なるべく水分を少ない状態に保つために、乾燥作業を行っている。

「貯蔵・保管」と「食味」は、相反する関係に有るので、どちらかに偏った場合には、問題があるお米になる可能性がある。

▽「乾燥方法」の種類 ……………………………………………………………………

◇自然乾燥・・
昔から行われてきた方法で、稲刈り後、稲穂を束ねて棒などを支柱として広げ、風と天日にて時間をかけて乾燥させる。時間をかけて乾燥を行うため、登熟も促進され良食味米には好ましい方法。 また、収穫時期に「乾いた風が吹く地域」と「湿潤な気候の地域」など環境に大きな差が在るため、一概には判別出来ない。 しかし、作業自体が非常に手間と時間が掛かるため、大規模な耕作には不向きだ。

乾燥作業が気候に大きく左右され、作業時間や手間が膨大になるため現在ではあまり行われていない。 併せて、乾燥結果が天候まかせ部分もあり製品の均一化が難しい。



◇機械乾燥・・
現在一般的に行われている乾燥方法。 天候に左右されずに収穫後の出荷作業が効率良く行えるため、殆どがこの方法を採っている。 田からコンバインで収穫後の籾を乾燥機に投入し、乾燥仕上がり水分値を設定すると、自動的に温風、冷風を送風し攪拌しながら乾燥作業を終了するため、大幅に生産者の労力を軽減した。その為、農場の大規模化、機械化に大きく貢献している。

反面、簡単に乾燥が終了するため、「設定操作の誤り」などの原因で、「過乾燥」などの不良品を作ることが在るため注意が必要である。



▽「含有水分の影響」 ……………………………………………………………………
乾燥作業が終了後、米細胞内に一定の水分が残る。この水分量が「含有水分」である。  経験則ではあるが、収穫後1〜2ヶ月の間に、細胞内の含有水分量が決定される。 例えば、収穫後16%以上の含有水分量が2ヶ月程度(11月末頃)維持された場合、含有水分が確定され、6ヶ月後(翌年3月頃)に再度乾燥作業(14%程度まで)を行っても、空気中の水分を少しずつ吸収し、16%の近くまで含有水分量を戻す。

また逆に、収穫後14%程度で含有水分量が2ヶ月程度(11月末頃)維持された場合は、湿度の高めな環境に保管されても、空気中の水分を吸収することはあまり無く、低い含有水分量を持続する。

含有水分量が多い米は、温度管理を行わないと品質の劣化は大きい。 理由は、細胞内の水分の分子の移動による、細胞壁の破壊が問題であると考える。

細胞内に在る水分分子は、保管環境温度の影響を大きく受ける。保管温度が低いと細胞内の水分分子は動きが小さく、保管温度が上昇することで、水分分子の動きが激しくなり、細胞壁を突き抜けて外部へと蒸散する。その際に果皮等も突き破り、果皮破損部から酸化が進むと推測する。その為保管の際の温度管理が大変重要であると言える。


>>>技術編2.【 保管・保存の方法 】
前項での説明の通り、保管・保存には幾つかの大変重要な要点がある。 「含有水分量」や「保管温度」「保管湿度」の要件が重要である。 また、低温倉庫から外に出した際の「外気温との温度差」も品質を劣化させる大きな要因でもある。  さらに白米の場合は「空気に触れる事による酸化」も品質を劣化させる要因である。 炊飯の直前まで、様々な障害を排除するよう心がける必要がある。

◇保管温度・湿度
低温倉庫に保管する場合には、温度調整が重要であるが、当店では(13℃±2℃程度)経済的な効率を考えて設定している。余り強く冷やし過ぎると、費用も増大するほかに、庫外に搬出した際に「結露」や「温度差ショック」が問題となる。湿度は、70%前後を基準として、除湿器を自動設定にして稼働している。湿気の多い時期に入出庫作業を行うと、一気に湿度が上昇するため、対策が必要を考える。


◇外気温との温度差ショック
これも経験則なので実証は難しいが、低温倉庫から外気温との差が大きい場合に、米に大きなダメージを及ぼす可能性がある。 外気温の高い真夏の時期、低温倉庫との温度差が20℃近くにもなる。 低温庫内では動きが鈍かった水分分子が、温度の上昇と共に大きく運動を始め、一度に大規模に米の分子壁崩壊、果皮破壊が進むのではと想像する。 例としては、「土蔵などの温度変化が緩やかな環境」と「低温倉庫での保管」とを比べた場合、「土蔵」の方は緩やかに食味低下が進むが、「低温倉庫」の方は、庫外へ搬出後2週間程度から急激な食味の低下が見られる。

この温度差を解消するためには、庫外搬出時に段階的に温度変化をさせるよう配慮する必要が有る。 一例では、春から夏に向けて「庫内の温度設定を外気温に合わせて上げる」事で、ショックを和らげる。 また、一例として、準低温庫(当店では23℃)を使用して、低温庫(13℃)から出した米を一定期間保管する。 上記のような対応策を採ることで、ショックの軽減に努める事ができる。



◇白米での保存・保管
白米の保存は「玄米の保存要件」の他に、果皮(糠部)を取り去った状態となるため、更に「乾燥させない」「酸化防止」「冷暗所保存」等などの要件が追加される。 白米の表面を拡大して見ると凸凹があり、平らでは無いため糠を完全に取り去ることは出来ない。糠層を取り去った白米の表面にはうっすらと糠が残っている状態なので、そこに糠油が残っており、この油分が酸化することになる。



▽白米での保存環境を整える最高の場所は、「冷蔵庫内の密閉容器」だ。 ………
冷蔵庫以上の状態は他に無い。可能な限り冷蔵庫での密閉保管が最適。 しかし、物理的に冷蔵庫での保存が不可能な場合には、対応策を講じる必要がある。

「冷暗・密閉・低温」が最低条件
3つの要件が最低限必要な要件だ。可能な限りこの要件に合う場所に保存するよう心がけること。

▽保存のヒント ……………………………………………………………………………

米を小分けにする。冷蔵庫に入らない米を、小さい袋に分ける事で、「小さい隙間」を有効利用できる。1回に炊飯する分量、(1合〜3合)に分けて置くことで(計量の手間を先に行う)庫内の小さな隙間に格納する。

鮮度保持袋を使用する。鮮度保持袋(当店ではランダーパック)を使用することで、酸化防止に努める。表面の米糠油は、植物油の中でも、非常に「酸化しにくい」油分ではあるが、少しずつ酸化するため酸化を抑止するよう努める。

温度変化を小さく。温度の変化が大きい場所、例えば「昼夜の温度差が大きい」などの場所は、米が早く疲労し、食味低下が早いため注意が必要。

ペットボトルの活用 冷蔵庫に保存する際もペットボトルは密閉性が良く、最適環境の一つ。詰める手間は多少在るが、有効スペース活用にも最適なアイテム。

夏場の保存 虫の心配がある夏場には、虫対策が必要。鷹の爪、ニンニクなど、お米に入れれば一定の効果はある。しかし、できればそれ以前の環境整備の方が重要である。掃除や環境整備無くして美味しいごはんは食べれない。常温保管の精米では、夏場は精米後1ヶ月以内に消費するように心がける。冬場では2ヶ月程度を目安と考える。


>>>技術編3.【 精 米 】
精米とは、糠層(果皮)を取り除き、食味の向上、消化吸収の向上を目的として行われる。 通常は精米機内部に圧力を掛け摩擦の力で玄米の果皮を取り除く。摩擦熱が発生し通常は、穀温が20℃程度上昇する。 また、精米の際に、選別機等で米粒を精選し、混入している石や他の種、ゴミ等の異物を排除する。

▽精米機の種類 ……………………………………………………………………………

◇摩擦式精米機
米同士を狭い金属壁内にて圧力を掛けることで、摩擦で果皮をはぎ取る方式の精米機。短時間で効率良く精米が可能で一般的な精米機。


◇研削式精米機
砥石を回転させて米表面に傷を付けるようにして、摩擦式精米機で糠が剥がれ易くする。 通常は研削式単体で使用するのではなく、研削式の後に摩擦式を使用し、連座・連結にて使用する。


◇循環式精米機
摩擦係数を高くせず、同じ精米機を何度も循環することで、少しずつ果皮を取り除く方式の精米機。 摩擦係数が低いため穀温の上昇も低く、食味低下が低いとされる。反面、精米作業時間が数倍にもなり、作業効率が悪いため、大型精米工場には不向き。


◇家庭用小型精米機
摩擦式精米機の小型版。基本的には摩擦圧力で果皮を取り除くので、摩擦式精米機と同じ。搗精容量が小さいため時間が多く掛かり、穀温の上昇は多めである。


▽無洗米精米機 ……………………………………………………………………………
無洗米加工は、通常精米後に連続して行うことが多い。 加工には数種類の加工方法が存在するが、主に「湿式(水を使用するタイプ)」と「乾式(水を使用しないタイプ)」に分けられる。  湿式は設備が大規模となるため、大型加工工場が主である。小規模精米施設やコイン精米機の設備と一体化となっている場合は、乾式が主流。

◇湿式(水を使用するタイプ)の一例
白米に少量の霧状の水分を吹きかけ、糠を吸着させる媒体(タピオカ澱粉)を混ぜて攪拌し、糠分を取り除いた後、吸着材を分離し、温風で乾燥させる。


◇乾式(水を使わないタイプ)の一例
精米後の白米を、研磨機またはブラシを使用して物理的に糠分を除去する。白米表面の溝部の糠、遊離糠を除去する。


▽精米の種類 ………………………………………………………………………………

完全精米 通常店頭で販売されている状態の白米。(玄米の胚芽部、果皮(糠部)を全て除去した精米。)特徴として、食味に優れ、糠油分も無いため酸化も少なく、消化吸収に優れており、ごはんの香り、柔らかさ、色の向上に大きな利点をもつ。精米後は玄米時の重量のおよそ9割の重量となる。

分搗き(1分搗き〜9分搗き)分搗きの程度に応じて、1分搗き(玄米に近い)から9分搗き(白米に近い)まで。胚芽部や、果皮(糠部)が多く残ると、食味や、香り、保温器内での持ち、など大きく変化する要素となる。
しかし、栄養の観点からの利点は、白米とは比較にならぬ程大きく、最近では分搗き米を好む多くの方のニーズが増加している。 精米機にもよるが、精米圧力の調節で、自由に搗精度を変えることで、「栄養重視」「食味重視」等に調節できる。
しかし、欠点としては、糠部の油分が露出し空気に触れることで、“油分が酸化し易い状態”となるため、保存の注意や配慮が必要となる。この様な理由から、夏場にはあまりお勧めは出来ないと考える。

無洗米加工済み精米 無洗米加工機により、遊離糠が除去されており上記と反対の理由から日持ちは良い。
また、洗米作業が短縮されるため、労力の軽減となる。しかし炊飯時にはサッと1度程度濯いだ方がよい。無洗米加工時に温風乾燥してある場合には、含有水分量が低いため、炊飯時の水加減は多めにしないと、堅めごはんになる。また、しっかりと給水させることが必要。


▽精米と食味の関係 …………………………………………………………………………

精米作業を行うものにとっては、搗精度(精米の程度)は食味に大きな影響があるため大変重要な要素であり、永遠の課題でもある。

まず、玄米は「農産物」であり、収穫年度、生産地、栽培方法等により果皮(糠部)の厚さ、硬さ、等の条件が異なり、常に異なる。

糠層の下部に澱粉部との境界線の近くに甘味強いの層(糊粉層)が存在するが、この層をいかに残して、糠は取り除くかが、精米の大きな試練となる。

様々な研究が行われているが、甘味の強い層(糊粉層)は均一の厚みで存在するわけではなく、部分的に厚みが“厚かったり”また“薄かったり”とまちまちで、成るべく多くの糊紛層を白米に残して精米を完了することが最良である。

粉粉層を多く残すべく、搗精度を下げて(玄米に近く)精米すると食味と香りは低下し、搗精度を上げて(白く)精米すると、澱粉部だけの甘味の少ない米になる可能性がある。 最適の状態で精米を終了するように心がけたい。

また、搗精時の圧力が強すぎると、強度の弱い米粒は砕け、砕粒を多く発生してしまう。
元来、玄米時にも胴割れ粒等の混入率が根本にあるが、必要以上の搗精圧力は、精米を2〜5分割程度に粉砕する可能性が在るため注意が必要。

前項でも触れたが、搗精圧力不足は、糠部を完全に除去できぬ場合には、「白度の低下」「食味の低下」「炊飯後の日持ちの低下」「糠臭の発生」などの不良を引き起こす可能性もある。


コラム 「搗精後、直ぐに炊飯はしない?」
炊飯直前に精米することが、必ずしも良い結果を生む訳ではない。

ある実験を行った。
同じ原料の白米を2つ用意し、1つ目は2日前に精米し、2つ目は直前に精米した。 2つを同時に水に浸け、米が給水した水分量を計測した。

結果、直前に精米した白米より、2日前に精米した白米の方が、より多くの水分を吸収した。
理由を推測すると、精米時に穀温が上昇し、米粒の外周部では摩擦熱のため、細胞内に水分が少ない状態になったと推測される。 そのため、米粒の外周部と内部とが、水分のアンバランス状態となり細胞内への吸収が若干阻害された部分があるものと推測される。
2日程度の時間が、米粒の外周部と内部との水分量を一定に調整し、水分の吸収率が上昇したのではないかと推測される。

水分吸収率だけで、炊飯結果を断じる訳には行かないが、給水行程は炊飯作業にとっては大変重量な要素で在ることは確かなことである。



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