前々回に引き続き、お米に付く虫についての考察です。
「メイガ」と云うのは、簡単に云えば「蛾」のこと。 正確には、「ノシメマダラメイガ」「スジマダラメイガ」など、体長1cm程度の小さい「蛾」のことです。
この「メイガ」は、米や麦、豆類は元より、様々な乾物食品が好物で、どこからともなく飛来し、家庭内でも良く飛んでいることと思います。 米粒の中に、ピンク色~白色で、ニョロニョロとした虫が、この「メイガ」の幼虫です。
この「メイガ」を予防する対応策としては、温度管理(冷蔵庫に保管)が一番な事は、変わりません。 次に効果的な事は、兎に角空気を遮断し、密閉状態を保つ事です。
「メイガ」は、米の糠の匂いに惹かれて飛来しますので、 1.飛来しない様にビニール袋等にいれ、米の廻りに空間(フリースペース)の無い状態にする。 2.ビニール袋などは食い破られて進入するため、複数枚重ねる。
米びつなど箱状の物は、虫が自由に動きまわれる空間(フリースペース)が在ると、 そこが生活圏となり、大量発生の温床となります。
この様な理由で、一番環境が最悪なのは、「計量付の米びつ」です。 この金属製の米びつには、必ず隙間が存在し、虫達が簡単に入り込む事ができます。 また、計量装置の部分に米粒や糠等がこぼれ落ちて、虫達の繁殖の温床になってしまいます。 年に一度程度は、完全に分解し、計量器部の糠等を綺麗に清掃する事が必要です。
この様な事からこの「計量付米びつ」は、夏季には使用しない事をお奨めします。
また、残念な事に虫が付いてしまった場合の対処方法です。 こちらも被害の程度により対応が異なります。
まず、数匹程度のニョロニョロの幼虫を発見した程度であれば、再度、精米機にて精米作業を行うことで、大きく改善します。 精米後は冷蔵庫などの冷暗所にて保管し、早めに消費される事をお奨めします。
また、虫が蛹(サナギ)になる時には、多くの米粒を自分の出す糸にて体の周りに米粒の房状の物を作成し、蛹になります。
この様な"米粒の房"状の物が多く確認された場合には、それらをフルイ(篩)や手作業で取り除き再度、精米機にて精米することが望ましいです。 精米作業を行うと、虫は全て糠部と同様に除去することが出来ます。
以上のような事で虫が付くため、長期間保管する場合には、冷蔵庫または低温の冷暗所が必要です。 どうしても家庭内に長期に置く場合には、低温・気密・遮光に注意を払い、再精米する事まで視野に入れておくことが必要かも知れません。
一年に1度の収穫しか出来ないお米ですが、鮮度を保つためには、それ相当の設備と知識は不可欠ですね。
Ishii (2014年7月19日 15:18)
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毎年、梅雨明けのこの時期になると、この話題が身の回りに多くなってきます。 それは、お米の中に湧く「虫」や「虫の防虫」について質問を頂いたり、話題が多くなってくる時期です。
ネットで検索してみると、「虫がお米に付いたので捨てた!」とか「とても食べる気になれない!」とか、米屋の側からすると実に勿体ない話が多くありました。
お米に付く虫には、代表的なものは「コクゾウムシ」と「メイガ」と云う2種類の虫がいます。
「コクゾウムシ」とは、「穀象虫」と漢字では書き「ゾウムシ」の仲間です。 よく観察するとミニカブト虫の様で可愛い(?)感じもします。 「ゾウムシ」と呼ばれるのは、"象の鼻"の様な長い突起の先端に、穀物などに穴を開けるための口が付いている為です。
実はこの"長い鼻"には、とても凄い理由があります。 コクゾウムシは米粒などの穀物にこの口で穴を空け、その中に卵を産み付けて、その後丁寧に粘液を出して穴をふさぎます。 そして、卵が孵化する温度になると、幼虫は米粒の中で孵化し廻りが"餌だらけ"の中で、成長することが出来る環境が整うのです。
この様に子孫のために手間をかける「コクゾウムシ」の発生を防ぐための、一番の防虫方法は、低温に保管する事です。 流通業者の段階では殆ど、「低温倉庫」などの保管施設が整っているため発生しませんが、精米後、店頭に陳列され、家庭で保管される段階の保管状態を改善するか、早く消費してしまう事が肝心なことと思います。
また、「鷹の爪」や「ニンニク」などの刺激の強いものは、保管の環境によって効果がある場合も有りますが、"完璧に防止"と云う訳ではなく、冷蔵庫などの温度管理に敵うものでは在りません。
もし、発生してしまった場合の対処法ですが、発生の程度によって異なります。
まず、数匹程度(1匹~10匹程度)の事であれば、手で虫を取り除けばOkです。 今まで通りの炊飯で何も問題在りません。 が、そのままですと虫の数が増えて来ますので保管場所を冷蔵庫などに変更するか、 または、精米機などで、再度精米作業を行えばOkです。
もし、とても手で取り除けそうな数を超える程、発生しているのなら、 屋外に新聞紙などを広げ、その上に米を平らに広げて置くと、1時間程度で虫は皆、暗い所へ逃げて行きます。 ある程度、虫の数が少なくなった状態であれば、「数匹程度」の対応が可能になることでしょう。
その後は、再度精米しないのであれば、良く研ぐ事で対応出来ると思います。 再精米(又は良く研ぐ)ことで、酸加した白米の表面を取り除くことがよいと思います。
基本的な事ですが、「コクゾウムシ」は、穀物や果実など、植物由来のものしか食しません。 そのため例えばゴキブリのような類の虫とは、基本的に異なりますので、人間が誤って食べたとしても健康を害する事は無いと思います。
7世紀末から8世紀にかけて現在の奈良県にあった藤原京の厠の跡からは、人糞に混じったコクゾウ ムシがたくさん見つかっていたそうで、当時の人々が好んで食べたかどうかはともかく、少なくともあまり 気にせずに米と一緒にコクゾウを食べていた様です。
こんな事を書くと「虫を食べるの?」とお叱りの声が在りそうですが、虫にも色々在って、 「コクゾウムシが付いたら食べれない!」と、神経質にならなくても良いのではと思います。
そうは云っても、虫が付く、付かないの前に、"美味しい内に食べきる"事が重要とは思いますが!
Ishii (2014年7月16日 21:08)
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梅雨の真っ只中ですが、会津若松市では降雨量は少なめで、もう少し雨水が欲しいところです。 しかし、どう言うわけか、日曜日になると雨空で困ってしまいます。
今週初めに庭の梅の実の収穫を行いました。 我が家には「高田梅」という直径5cm程の大粒の実の品種で、樹齢が40年ほどの梅の木が1本だけ残っています。
今年はこの地方では、どこも大豊作のようで、この樹だけで36kgも収穫となりました。
そこで問題なのは、この収穫した実の処理方法です。
あちら、こちらへお裾分けをし、残った実を、簡単にできる「炊飯器で作る 甘煮」を作りました。
作り方は、ネットなどでもすぐに調べることが出来ると思います。
洗った実を、炊飯器に入れて、ほぼ同量の氷砂糖を入れ、保温スイッチを入れて一晩置くだけ、と云う手軽さです。
出来上がりの実は、程良い酸味と甘み、軟らかく、何個でもペロッと食べてしまうことができます。
炊飯器に入る量に限りがあるので、1度に大量には出来ませんが、数回繰り返しても簡単なので苦にはなりませんでした。
梅の実を持て余している方には、是非お奨めしたいと思います。
Ishii (2014年6月28日 09:27)
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冷たい雨が降った昨日に変わって、今日は穏やかに暖かい1日でした。 毎日毎日違う天候に、アラフィーの体は悲鳴を上げそうです。 風邪を引かないようにしないと! お米を炊くにあたって、水加減は大切ですよね。 新米を炊いたことのある人はご存じだと思いますが、新米を炊飯器に印されている合数の目盛りに合わせて炊飯すると、少しベチャベチャになってしまいますよね。 なので、新米のこの時期は少し水を通常より少なめにした方が美味しく頂けます。 毎回試食をして感じる事ですが、同じお米でも水加減を変えて炊飯するだけなのに、食味がかなり違います。 また、美味しく感じる要素に「硬さ」が大きく影響してきますね。 目盛り通りの炊飯から、50mlを引いた場合、更に80ml、100mlを引いた場合と炊き分けると、年齢によって好みが分かれてきます。 (子供は100ml引いた方が良いとか、おばーちゃんはそれだと硬すぎて美味しくないから50ml位の柔らかさが良いとか・・・。) また、お米によっても同じく水を調整しても硬さが違ってきます。(例えばA生産者さんのコシヒカリとB生産者さんのコシヒカリと同じ条件で炊飯しても若干の硬さの違いがあります。当然のことですが・・・) 更に、炊きあがったばかりのご飯は食味に大きな違いは無いものの、冷めて食するとそれぞれの個性を感じることができます。 生産者さんごとに米の個性はあるものの、色々試してみましたが、「冷めても艶があり、甘みもあり、粘りもある、この美味しい食味が会津米」と落ち着きました。 是非、一度安全安心で美味しい会津米をご試食ください。
Ishii (2013年10月21日 21:30)
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世の中には恐らく"しゃもじの置き方"について多くの方が不満を持っているようです。
それが証拠に調べてみると、様々なアイテムが販売されています。
1)しゃもじケース・容器
ケースや容器は、大別すると2つに分けられます。
A)
炊飯ジャーに取り付けるタイプ
一番ポプュラーで品数も多い。 しゃもじのヘラ部をケースに入れるタイプや、中にはしゃもじの柄の方を入れるものもある。
炊飯ジャーの側面へ、磁石、吸盤、粘着板などで取り付ける。
たまに取り外して洗う必要があるので、取り付け方がミソ。
価格も500円程度までで手軽に利用できる。
B)陶器や金属製の入れ物
高級感やデザイン性が強く、キャラクターや可愛いタイプの品もあり見た目が良い。
どっしりとして中に水を入れても、入れなくとも、どちらでも使えるので機能性が一番高い。
また、皿状の置くタイプの品も存在する。 チッチン周りにこだわる方に向く。
価格は、2千~3千円程度なので趣味性も高い。
2)しゃもじ形状
最近はプラスチック製なのでどの様な形にもデザインできるため様々品がある。
しゃもじも形で大別すると2つに分けられます。
A)ヘラの部分が浮いているもの
柄の形状を変えて、へらの部分が浮く形に成形したもので、横に置いてもへらが着かず、衛生を保つことができる。 横に置くため広さに気にならない方向き。
B)しゃもじ自体が立つもの
しゃもじの柄の末端が立体的に膨らんでおり、縦に自立するタイプ。
省スペースで置けるため、キッチンが狭い場合に有効。しかし、自立しているため、何かで押すと簡単に倒れてしまう欠点があり。
3)その他
スタンド型 しゃもじの柄を差して、しゃもじを自立させるもの。
陶器製や木製、プラスチック製など多数ある。
また、箸置きのようにしゃもじを持ち上げて置くタイプもあり。
ホルダー型 しゃもじを挟みこむホルダーに吸盤を取り付けたものもある。安価で手軽だが、吸盤の性能が悪いためすぐ脱落して使用不可だった。
色々とネットを探していたら、「スイングしゃもじ」と言う商品を発見。
起き上がり小坊師のようにゆらゆらと自立するモノでした。
早速購入して試してみたいと思います。
Ishii (2013年4月18日 16:58)
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