「きなこ」は、一般的には「黄粉」とかかれた、丸大豆を粉砕して黄色い粉状になった品と、青色の着色加工を行った、「青黄粉」が知られています。 会津には、「キナコ豆」と呼ばれる豆が存在します。 外見は小粒で、濃い青色の豆であり、製粉加工をしても青い色素が消えず、青い色の粉に仕上がります。 普通の青大豆で同じように加工を行っても、青い色が薄くなってしまい、青い粉にはならず、青きなこにはなりません。 実はこの青きな粉にも欠点があります。 この青い色素は“日光に大変弱く”、そのまま放置すると一日で色が変わって灰色になってしまいます。 そのため、保管場所は、冷蔵庫での保管が必要です。 きな粉の作り方は、選別したキナコ豆を厚い鉄板(厚さ3cm)の専用鍋にて炒ります。 その煎り方がとても難しい! 遠赤外線を使い中心まで加熱する必要があるため、鉄板の厚さが重要です。 表面は焦げると風味が変わるため、表面を焦がさない様に中心まで加熱する必要があります。 加熱が弱いと“豆の生臭さ”が残っていてはNGです。 炒りながら食べながら、最適な炒り加減を調節します。 その後臼形製粉機で加工しながら、絹篩で篩いながら仕上げます。 行程に手間がかかり作業が大変です。 高速粉砕器を使うと作業が早いのですが、色素も無くなり、色が冴えません。 この様に丹精こめた“本物の青きなこ”を作る事ができる人も年々減っており、今後何年間この製品を食べる事ができるのか? と心配になってしまいます。 この青きな粉は、主に正月に「きなこ餅」や6月頃「ひし巻」などに使います。
Ishii (2012年6月 7日 14:05)
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